ガンガーのほとりを散歩していると、先生が指を差し「あそこが”火葬場”なんですよ」と教えてくれました。

橋のすぐ側の川岸に、コンクリートの土台が、等間隔に並んでいます。

「えっ!?こんな目立つところで?」と一瞬、驚きましたが、土台のひとつに、燃えたあとのような黒い痕跡が残っているのを見て、本当なんだ。。と納得しました。

インドでは輪廻転生の思想から、死を”古い肉体を脱ぎ捨てる”と表現をしたりするので、病気や老いで不自由な体から自由になり、煙となって空へ溶けていく解放感を祝う感覚のほうが大きいのでしょうか。

街のなかで、みなが生活するなかで、忙しく行き交う人や動物や車の喧騒のなかで、去って行く人もまた、生きとし生けるものたちの営みと同じと言わんばかりに、生と死が同一線上に並んでいます。

生きることも死ぬこともあるがままに目に入る。悲しむ必要はないとばかりに。